Suguru Hasegawa
プロジェクトQ (3) 「2021、御縁と挑戦の三尺玉」
更新日:2022年2月27日
プロジェクトQ。かつて一世を風靡した某放送局のテレビ番組のタイトルみたいですが、あちらは「X」で、こちらは「Q」。キルト(Quilt)のQです。
この「プロジェクトQ」の連載では、「長岡花火キルトプロジェクト」に携わっている数多くの方々のうちの何名かに、プロジェクトに関する秘話やプロジェクトに携わったきっかけ、参加しての感想などを伺い、対談形式でお届けします。
第3回目は、笹川さんです。このプロジェクトを立ち上げようと思い立った島田代表が相談した相手であり、笹川さんに相談することでプロジェクトがいろいろと動き出していったという、いわばキーパーソンの一人です。
長谷川:昨年11月の新潟県胎内市での島田さんの個展で、「ハワイアンキルトに長岡花火の映像を投影するプロジェクションマッピングの作品を、長岡の皆さんに見てほしい」との相談を受けたそうですが、その時はどう感じましたか?
笹川:偶然、胎内に行く用事があったので個展に行けたのですが、作品を見て「ハワイアンキルトとプロジェクションマッピングで、こんな風にコラボレーションできるのか!」と、驚くばかりというか、とにかく「これは凄い!」と思ったし、エネルギーというか、熱量を感じました。
長谷川:なるほど。私も同じ作品を見て、美しさに魅了されたんですが、笹川さんはエネルギーも感じ取られたんですね。そして、島田さんに長岡市議の荒木議員を紹介したそうですが、どのようにしたんですか?
笹川:長岡花火に関係する取り組みであれば、市役所や議会など、長岡全体を動かす必要があるのではないかと思い、私が感動した作品を動画に撮って、面識のある荒木さんにお話ししました。私が個展で実際に作品を目にしたからこそ、荒木さんにも作品が持つ熱量と感動が伝わったんだと思います。荒木さんも素晴らしさを分かって下さって、島田さんとの間を取り持つことが出来ました。
長谷川:このプロジェクトの方向を決める重要な出会いの場を作った訳ですね。結局、最終的にはプロジェクションマッピングから「1万個のヨーヨーキルトで花火を作る」という方向に変更になりましたが、その時にはどう思いましたか?
笹川:それならば大勢の長岡市民に作ってもらわなければいけないと思い、母が公民館のパッチワークのサークルに入っているので、その仲間の方にヨーヨーキルトを作っていただいたりしました。私も「アオーレ長岡」での活動に参加してヨーヨーキルトを作りました。
長谷川:「アオーレ長岡」でのインタビューはテレビ番組にも出ていましたので、私も拝見しました。他にも、御披露目会の司会進行も担当していましたよね?
笹川:はい。私の立ち位置が作品の横で、除幕された瞬間が目の前で見えましたが、島田さんも私も別々の分野の事に大変な思いをして取り組んできて、よくぞここまで出来たな、よくぞ頑張ったなという思いが頭をよぎり、グッとこみ上げるものがありました。会が終わった後に改めてジックリ見ましたが、「わぁーっ!」と感嘆すると共に、アーティストとしての島田さんのバイタリティーの結晶だと感じたし、達成感も感じました。
長谷川:達成感、ですか?
笹川:はい。私はあるコンテストの運営を行っているのですが、ちょうど島田さんが長岡花火キルトプロジェクトを立ち上げた頃、私もコンテストの運営を立ち上げ、分野は違いますが、お互いに手探りで物事を進め、広報宣伝や、寄付を募るなど、辛い時には励まし合いながら、初めての事に挑戦してきました。だから我が事のように思えて、達成感を感じたんだと思います。
長谷川:そうなんですね。そのようなバックボーンがあると、達成感を感じるという感覚も、分かるような気がします。ところで笹川さんは、長岡大花火に、どのような思い出がありますか?
笹川:子供の頃は信濃川の桟敷まで行かなくても、近所の空き地で見えました。近所の人と枝豆や麦茶を囲んで花火を観たりして、子供心にワイワイした雰囲気が楽しくて、8月2日・3日は楽しい思い出が残っています。大人になった今でも、花火の音を聞くと、居ても立っても居られなくなり「一刻も早く花火が見たい!」という気持ちになります(笑)。
長谷川:その気持ち、私も一緒です(笑)。最後に、笹川さんにとって「長岡花火キルト」を一言で表現すると?
笹川:「2021、御縁と挑戦の三尺玉」ですね。偶然、胎内市で個展を見て、島田さんから相談されて、荒木さんを紹介して、という流れは「縁」そのものですし、島田さんはこのプロジェクトを、私はコンテストの運営を成功させるという、それぞれ挑戦をしてきました。連帯感を持って、進んできた感じかな。私は島田さんのチャレンジに伴走しながら、お互いにゴールを迎えられたような気がします。
長谷川:ありがとうございました。作品をホノルル市に届けるのがプロジェクトの最終目標ですので、これからも「伴走」どうぞ宜しくお願いします。
これからも、プロジェクトに携わった方々に、お話を伺っていきたいと思います。どうぞ、お楽しみに。
【ご案内】
このプロジェクトの誕生秘話などについて、プロジェクトの島田代表に伺った記事は、こちらをご覧ください。
ボランティア
長谷川 卓
